ドローンで空撮するときに人気なポイントの1つに灯台が挙げられます。灯台は崖の上や半島の先端に立地場所が多く大自然の中にぽつりとある灯台はインパクトがあり、見るものの心を引き込む力があります。
どの灯台も歴史があり、建物自体に風情が感じられますからね。
またどこまでも続く広い空と地平線が見える広大な海。ドローン空撮する上で被写体がはっきりしている灯台撮影は最適なシチュエーションだと思います。
そんな灯台に魅了された管理人がドローンで灯台を撮影するために必要な申請先や申請方法、灯台飛行に関しての注意点等を紹介します!
※あくまで私の体験談をベースにしていますので必ずしもこの申請方法が正解というものではありません。参考にはなると思いますのでまずは自分で許可申請にチャレンジしてみましょう。
目次
ドローンで空撮する時は灯台に限らず必ず以下の確認をする必要があります。
法律に関しては以下の記事を参考にして下さい。ここでは詳細は省きます。
⇒航空法
⇒小型無人機等飛行禁止法
⇒港則法
灯台でドローン飛行をする際最初にチェックすべきポイントを紹介します。
チェックすべきポイント
航空法に関する事柄は国土交通省の許可、小型無人機等飛行禁止法は警察署へ通達が必要になります。また各管理者の許可も必要。
その他にも目視外飛行や日の出撮影(夜間飛行)、人・物30m以内の飛行をするなら事前に国土交通省に申請を出して承認を得る必要があります。
灯台の建物やその敷地、又は海域を管理しているのは海上保安庁です。ドローンを飛行するならば、海上保安庁の許可が必要です。撮影する灯台の所在地がある海上保安庁の管轄に問い合わせしてみましょう。
例えば関東エリアの場合ですと、海上保安庁第三管区海上保安部が管轄です。本部は横浜にあり、各地に海上保安部(8ヶ所)、海上保安署(7ヶ所)、分室(4ヶ所)を設置しています。
横浜本部にはドローン専門の部署があるので、そこに繋いでもらうと、話が進んでいきます。
電話番号
045-671-0118(代表)
海上保安庁の連絡先についての詳細はこちらをチェックしてみて下さい。
⇒第三管区海上保安部等連絡先一覧
ドローンの飛行許可に関しての条件は管轄の保安部毎に違うので必ず確認しましょう。
私は何件も灯台でのドローン許可を得ているのですが、電話だけで提出書類無しでOKな場所から、企画書、連絡網、座標でのドローン飛行図が必要な場所などさまざまです。また個人の趣味か業務目的かでも異なってきます。
※場所によって提出書類が異なります。
また、電話だけで飛行OKと言われてた場合で届け出の必要がない場合でも、電話での内容を書面で把握して○○月に○○灯台で飛行予定ありと記録してます。このようなことから無許可でドローンを飛行するのではなく必ず海上保安庁に飛行申請の電話をいれておきましょう。
海上保安庁の許可はメールや郵送では受け付けてくれません。直接海上保安庁の窓口に行くのが基本です。しかしドローンの飛行申請は実は許可書をもらうのではなく使用届けを提出に該当する事が多いからです。使用届けの場合はFAXで可能な場もあります。詳しくは問い合わせの時に聞いてみましょう。
※港則法の特定港に該当する場所での飛行は許可が必要なので直接海上保安庁の窓口に行く必要があります。詳しくはこちらの記事を参照してください。
⇒海でドローン飛行!許可・届け出は必要?
許可と言うのは法令で一般に禁止されている行為について、特定の条件の場合に行政庁がそれを解除し、適法にその行為を行えるようにすることです。一方、使用届けとは行政庁(海上保安庁)に対して使用をするといった行為を書面で通知する事により、特定の日時、場所での使用を把握してもらう行為の事です。
しかし、例えばテントをはったり、カラーコーンなどを置いたり場所を占有する場合には、法律に則り占有許可を取る必要が出てきます。漁港や港など船舶の多い場所は港則法の法律で規制されてますので許可が必要になります。
ただ単にドローン飛行するだけなら使用届け。
FAXの郵送で可能です。
場所の占有や港則法に引っかかるなら許可を得る。
直接海上保安庁に足を運び許可書を得る必要がある。
私の場合は許可ではなく使用届けですので、FAXで引き受けてもらえました。
ドローンの灯台毎に飛行の条件が事なります。
ここでは申請するにあたり実際に言われた条件や対策を紹介していきます。
当日
●灯台を飛行するなら海岸を管理している事務所にも連絡した方が良い。
海上保安庁は灯台と灯台の敷地、そして海上を管理していますが、海岸は別の事務所が管理してると考えられます。灯台を離れた位置から撮影しようとする場合には、海上保安庁の許可と別に海岸を管理している事務所にも飛行申請した方が良いでしょう。(土木事務所や市役所等)
●警察への飛行連絡(任意)
ドローンは飛行しているだけで警察に通報されてしまう事があります。一度通報されると警察が現場に出向する義務があり警察に取り締まりを受ける事になります。時間と手間と周りからの冷たい目線を浴びる事になるので、飛行前に事前に警察署へ飛行予定報告をしておくのがお勧めです。報告先は生活安全課です。
※万が一航空法に違反していたりすると最悪逮捕と言う事になる可能性もあります。
● 燈光会への通知
何度か灯台の申請の際に燈光会(灯台を管理している団体)にも連絡しておいてくださいと言われた事があります。
(ただし実際に燈光会に連絡を入れてみても、電話されても困ると言われた。実際に飛行する際に窓口に報告する感じで良いかも…)
●万が一、海に墜落した場合の回収方法
海の上で飛行する際に万が一、海に墜落した場合の回収方法を聞かれる事もありました。私の場合は、民間の潜水士に依頼して回収を図ると伝えました。(価格が2万円以上〜別途交通費)
発見率90%以上なので、機体の位置がGPSでわかるドローンなら極めて見つかる確率が高いと思います。
海岸から近い場所や堤防の下などはどこにでもある街の便利屋・何でも屋でも対応可能な場所があります。(1時間3000円前後)
●FISSに登録
海上保安庁の方にも飛行日時のFISSに登録をするように念を押された事があります。そもそも国土交通省の許可や承認が必要な場所での飛行はFISSは必須です。必ずFISSに登録してから飛行しましょう。
●夜間飛行は遠慮して下さい
灯台によっては夜間飛行を遠慮してくださいと言われた事があります。
日の出撮影をする際はしっかりと飛行時間の確認した方が良いでしょう。海上保安庁に飛行許可をもらえたとしても、日の出撮影は国交相の夜間飛行の承認が必要となりますので注意して下さい。
●飛行後に海上保安庁に連絡
場所によっては飛行後事故なく安全に飛行できたか確認が必要な場所もありました。ただ事故無く飛行出来たことと飛行した時間を報告しただけですのでそれほど手間のかかる事ではないですね。
灯台付近でのドローン飛行は通常の環境と異なり以下のような特徴があるので飛行には十分注意してください。
灯台は機能性の意味から海岸の先端、又は崖の上に設置されている事が多い。そのため風の影響をモロに受けるます。
内陸で3m/s程度の風速でも海岸では倍の風速である7m/sな事はよくある事です。
国交省の標準マニアルでは5m/sは飛行出来ないので現地の風速予報を事前にチェックしておく必要があります。
崖の近くは上昇気流が発生しやすいのが特徴です。ドローンは上昇気流に弱く制御が困難となり揚力も失いやすくなり危険な状態となります。(セットリングウィズパワー)
もしこのような前兆があれば前進加速を行う事が回避する手段です。また崖が原因による電波障害による墜落、映像の遮断などもあります。崖で電波の死角にならないようにしましょう。
大きな灯台ですとレーダービーコンと呼ばれる電波塔が設置されている場所もあります。最近は廃止されているところも多いのですがこのような強力な電波を出す設備の近くには不必要に近寄らないようにしましょう。
灯台は観光地としての一面があります。日曜日祝日などは人もいる事でしょう。また岩場などは釣りのポイントでもある事が多いのでドローンの飛行には十分に注意。
ドローンの灯台撮影について、許可申請方法、飛行に関しての注意点を紹介してきました。
灯台は日本全国に3000基以上あり、どの灯台も個性的で魅力的です。海、空、大地そして被写体である灯台をどのアングルで撮影するかによっても完成した映像作品はだいぶ変わってきて面白いです。
また季節や太陽の位置、時間帯を変える事により全然違う作品になります。
日の出、日の入り撮影で金色に光るマジックアワーを背景に大自然の中の灯台を撮影出来たらきっとすばらしい映像になるでしょうね。
お気に入りの作品を作るためにもしっかりと許可申請を出して安全に飛行を終える事が大切です。
当記事を参考にして頂き少しでも灯台撮影の参考になれれば幸いです。なお誤った箇所や間違った情報等ありましたら情報提供してもらえるとうれしいです。