より良いドローンライフを

ドローンの飛行練習場所の探し方、許可申請の手順を紹介します。

ドローンを購入したが、飛ばせる場所がわからない!海や川や湖で勝手に飛ばしていいの?許可はいるの?などドローンを始めるにあたり一番最初にぶつかる壁がドローンを飛行させる場所についてです。

結論から言うと、日本全国確認や許可を得ないで飛ばせる場所はありません。たとえ自宅の庭でも法律による制限の有無を確認しなくてはなりません。
実際自由にドローンを飛行させる場所は殆どないのが現実です。

しかし、中には探せば許可承認を得る必要なく飛行できる場所もありますし、飛行禁止エリアでもその多くが許可や承認を得られれば飛行できるのが大半です。

こちらの記事ではドローンの飛行練習場所がなく困っている方に向けて自宅から近いドローンの飛行練習場所の探し方について詳しく紹介していきます。

ドローンが飛行できる場所とは?

ドローンを飛行させるにはさまざまな規制があり以下の2つの条件をクリアした場合のみ飛行できます。

  • 法律による制限にかからない場所や飛行方法
  • 地権者の許可を得ている場所

飛行前にかならず上記の2つをチェックする必要があります。まずは最低限覚えておくべきドローンに関する法律から見ていきましょう。

ドローンを飛行する上でこれだけは覚えておくべき法律の規定

ドローンの飛行に関係する法律はたくさんあります。航空法、小型無人機等飛行禁止法、電波法、民法、道路交通法、河川法、海岸法、港則法、条例、重要文化財保護法等…etc

法律以外にも迷惑防止条例などがあります。

たくさんありますますけど重要なのは航空法と小型無人機等飛行禁止法です。この2つは唯一法律の条文でドローン(小型無人機等飛行禁止法)を直接規制しているからです。他の法律は解釈や判例、慣習などでドローンを規制してます。

ドローンを飛行する上で飛行禁止エリア、飛行禁止ルール、守るべき飛行ルールは必ず覚えておきましょう。

ドローンが規制されている法律
(航空法&小型無人機等飛行禁止法)

↓詳細はこちらを参考にしてください。↓

⇒航空法について
⇒小型無人機等飛行禁止法について
⇒人口集中地区について
⇒人・物件30m規制について
⇒夜間飛行について
⇒150m以上の飛行について
⇒目視外飛行について

地権者からの許可

また忘れがちなのが地権者の許可です。民法上他人の敷地上空にも所有権が及ぶと規定してます。

またその所有権の及ぶ範囲は判例や解釈により地上より300mと言われており、ドローン飛行高度はMAX149mですので、所有者の許可なくドローンを飛行させた場合、所有権の侵害にあたり所有権に基づく損害賠償請求をされることも考えらます。

ドローンを飛行させる場合はゲリラ的に飛ばすのではなく事前に法律による制限の確認や地権者の許可を得ておきましょう。

飛行練習場所に最適な場所

ドローンを飛行させるとなると広い場所が必要になります。練習するにも最低でも20メートル平方以上は欲しいです。

広い場所と言えば、公園、海岸、河川敷、湖、山などが挙げられます。しかしドローンの飛行はその場所の管理者に飛行確認を行う必要があります。

公園は基本的にドローン飛行を制限している場所が多いのでドローン飛行の練習は難しいでしょう。

人が居なくて広い場所でドローンの飛行許可が取りやすい場所というのは海岸と河川です。

海岸と河川は自由使用の原則により比較的ドローンの飛行には寛容的な場所が多いです。(もちろん場所によっては飛行禁止されてる場所もありますので必ず確認が必要です。)

私がこれまで数百件以上ドローンの許可申請をしてきた経験上、ドローンの許可を得やすい場所について紹介します。

海岸○

海岸や海上は比較的ドローンが飛ばせる場所が多い。海上も特定港以外は飛行しやすい。
海水浴場や漁港はドローンNGな場所もある。
灯台撮影は海上保安庁の許可が必要。
海岸飛行について詳細はこちら

河川敷○

河川敷もドローンが飛ばせる場所が多い。河川敷と隣接している公園やグラウンドなどは権限が市に移譲されている場合が多く許可を得るのは大変。また河川によっては場所によって対岸で管理者が異なることもあるので注意が必要。
河川敷飛行について詳細はこちら

港△

特定港に指定されている港は必ず海上の許可が必要となるので練習には適さない。ドローンの練習するのにあえて港で練習しなくてもよいかなと思う。
港での飛行について詳細はこちら

湖△

湖は場所により対応が異なります。
飲料系のダムは許可が難しい。
湖での飛行について詳細はこちら

公園▼

多くの都市公園はドローン飛行に制限をかけてます。国立公園や国定公園等の自然公園は都市公園と比較すると飛行できる場合が多いなお東京都内の公園はマイクロドローンを含めて全面禁止。
公園での飛行について詳細はこちら

山△

山の中でも国有林の上空を飛行させる場合には入林届けが必須。山には実は所有権者が多く地権者を探すのが大変。また高低差があり、上昇気流、鳥獣被害、電波障害、木の枝などの障害物も多くドローン初心者は避けた方が良いでしょう。
山での飛行について詳細はこちら

海や川、湖などは管理者により飛行申請方法が変わってきます。業務目的ですと企画書や使用届けを提出する場合が多い。趣味での飛行の場合は場所によっては使用届けなしで飛行出来る場所も実は多いです。

実際に飛行練習場所の探して飛行するまでの手順

実際にドローンを飛行させる場合の手順を紹介します。ドローンでの飛行練習場所を探すなら以下の手順を進めていけば迷わず良い練習場所が探せます。

  • ①ドローン規制されていない場所を地図で探す
  • ②ロケハン又はグーグルアースでチェック
  • ③管理者や所有者を探す
  • ④許可を得る
  • ⑤必要に応じて許可・使用届けを提出
  • ⑥飛行にあたり連絡・調整

①ドローン規制されていない場所を地図で探す

ドローンの練習場所を探すなら航空法と小型無人機等飛行禁止での飛行禁止されていない場所を探すのが1番。そこで活躍するのが以下のサイトやアプリです。

国土地理院地図
人口集中地区や空港の規制エリア、小型無人機等飛行禁止法で禁止されてる場所などが一目でわかります。

指標は左のメニューからの【その他】⇒【他機関の情報】⇒【人工集中地区平成27年】+【空港等周辺地域】で表示できます。

国土地理院

その他の便利なアプリやサイト
スマホではiPhoneユーザーならドローンフライトナビ、Androidユーザーならドローン飛行チェックがおすすめ。
また空パスなど色々なタイプがありますので自分の使いやすいもので活用すると良いと思います。
ドローンフライトナビ(iPhoneユーザー)
ドローン飛行チェック(Androidユーザー)
空パス(一部有料)

規制から外れている自宅から近い河川、海岸、湖などをピックアップしましょう。

理想的な練習場所としてお勧めな場所
・家から近い
・アクセスがいい
・人が居ない
・広々とした平坦な場所
・電波障害のない場所

特に携帯の基地局には注意!

②ロケハン又はグーグルアースでチェック

地図上だけでは実際にドローンの飛行に適した場所が分からないのでロケハン又はグーグルアースでチェックしましょう。ロケハンとは実際自分の足を運んで現場をチェックすることです。電線や環境の変化、釣り人や散歩人など地図上だけではわからないことが分かります。

チェック項目
・人や建物が30m以上離れた空き地か?
・電波塔や無線設備はないか?
・高圧の鉄塔や電線はないか?
・海水浴場や露天風呂は近くにないか?
・ヘリポートや飛行場は近くにないか?

理想はロケハンで自分の目で確認するのが良いのですがグーグルアースを活用しても良いかと思います。地形の起伏や建物などリアルに把握することができます。

知っておくと便利な国土地理院地図の機能
・高圧の鉄塔や電線が分かる
・海抜や標高などの高度を知ることができる
・距離を図ることができる
・電波塔がわかる

航空法により人・物件から30m以内は飛行出来ないのでこのような距離の測れる機能はとても便利です。またドローンの事故で実は最も多いと言われるのが電線の接触です。モニターでは映らないこともあり、障害回避機能も効果がありません。事前に電線の位置を把握することは大事になります。

③管理者や所有者を探す

飛行候補地が決まったら土地の所有者・管理者を探します。
インターネットを利用して探してもいいですが、分からない場合は、飛行候補地を管轄する市役所や町役場の代表番号に問い合わせれば管轄に繋いでもらえます。又は土木事務所や河川事務所、港湾事務所を教えてくれます。

土地の管理者は実際に問い合わせてみないとわからないことが多いです。例えば千葉県のとある海岸では、狭い範囲に市役所、土木事務所、港湾事務所、海上保安庁、森林事務所など複数の権利者がある場所もあります。

参考程度に以下を記載しておきます。
河川・湖…河川事務所、土木事務所、市役所
海岸  …土木事務所、市役所、港湾事務所
海上  …海上保安庁
池・公園…市役所

※場所によっては漁業組合やフィルムコミッション、観光協会などの許可が必要になります。

飛行する場所によっては複数の管理者がいることもあります。以下の図を参考にして下さい。

海上保安庁
土木事務所
市役所
河川事務所
森林局

問い合わせをしたときに【他にも確認をした方が良い機関や管理団体はありますか?】と聞いた方が漏れなく管理者を探すことができます。

縦割り行政のため自分の管轄外はなかなか口にしない方も多い。ちょっと図々しいくらいに聞いた方が良いかも。

問い合わせは電話とメールがありますが個人的には電話の方が許可がおりやすい気がします。
また電話対応だとメールと違い証拠が残らないので、電話をした日付と時間、担当部署と担当者、会話内容の要約をメモしておくことをおすすめします。後から言った言わないで揉めると証拠がないと話にならないですからね。メモはちゃんと証拠になります。

④許可を得る

同じ川でも管轄が異なれば飛行禁止になりますので、この川なら飛行大丈夫と思わないで必ず飛行する場所で判断して下さい。

またドローンの許可に関しては、目的や業務内容、時期、個人の飛行実績によっても許可が出るか出ないか変わってきます。

●目的
観光PR、公共調査、学術研究、CM撮影、映画・TV撮影等。個人的なことより公共的なことの方が許可がおりやすい。またCMや映画撮影などPRになる場合も許可がおりやすい。

●個人か業務か?
個人か業務かでも許可が変わってきます。公園や観光地などでは中々、個人では許可が下りない場所も業務なら許可がおりるという場所も多い。
ただし、海岸や河川の場合は個人でも意外と飛行出来る場合が多い。

●時期・年数
夏の海水浴場、秋の紅葉、冬のスキー場、春の花見など人が多く集まる時期は、安全性の観点からドローンの飛行が禁止されることがある。

又、荒川上流みたいに2018年度はドローン飛行可能でしたが、2019年度になり突如飛行禁止になっている場合があります。ドローンに関する対応も日々変わってきますので、以前許可が下りていた場所も期間が空いている場合は再度確認をする必要があります。

●個人の飛行実績・知識等
役所でよく、国土交通省の許可証はありますか?と聞かれます。これは個人の飛行実績や知識があるのかをチェックしているとも言えます。また賠償責任の加入の有無も聞かれることがあります。設備を万が一壊した場合でも保険があれば補償費用を担保できますからね。

⑤必要に応じて許可・使用届けを提出

管理者の数だけ申請方法が異なります。使用許可、占有許可、使用届け、利用届け、場合によっては入林届け等あります。

基本的には専用の申請フォームをホームページからダウンロードして記入していきます。
専用の申請フォームがない場合は自分で作成する必要があります。

提出物一覧
・申請書
・飛行地図
・企画書(※場合によって)
・国交省の包括申請のコピー(※場合によって)
・賠償保険のコピー(※場合によって)
・その他色々

提出方法は、手渡し、郵送、メール、FAX等、対応する人によって様々です。
私の場合は手間も時間もお金もかからないメールでの提出を頼んでます。海上保安庁や航空事務所は飛行地図に 60進法の緯度経度で表した飛行エリアを示す必要があります。

必要に応じて許可・使用届けを提出

河川や海岸は業務目的での飛行だと大概使用届の提出を求められます。(撮影行為に対して)
しかし個人の趣味の範囲でドローンの飛行させる場合は使用届等提出しないで良い場所もけっこう多くあります。

しかし、営利目的や業務目的の場合はほとんどの場所で何かしらの提出物を求められます。

この営利目的や業務目的の定義が役所によって異なってことが多いです。お金の対価として仕事をするのは分かりやすいですが、個人で営利目的でなくとも反復継続してその場所を使用する場合も業務扱いとするところもありました。

また個人でYouTubeでの広告収入も営利目的に該当するところが多いです。遅くても飛行する1週間前までには、申請書を関係機関に送るようにしましょう。

⑥飛行にあたり連絡・調整

管理者の許可以外にも様々な機関と調整する必要がある場合があります。

例えば、漁港で撮影するならば漁業組合の組長の許可、湖ならボート屋、その他近隣住民等必要に応じて連絡・調整する必要があります。

また、ドローンは飛行しているだけで通報されることも残念ながら度々あります。いちど警察が来ると色々と面倒なので、飛行する前に最寄りの警察署の生活安全課に一報を入れておくと安心です。


神奈川県の葉山だと飛行前に警察署に連絡を入れなくてはなりません。また湘南の海の上で飛行する場合は湘南海上保安署に電話またはファックスで一報を入れる必要があります。

飛行する際は許可書がある場合は必ず許可書を持参、使用届の場合も提出した使用届のコピーを持参しておくとクレーマー対策になります。

また包括申請保持者であればそのコピー、万が一に備え賠償責任保険に加入してるならばそのコピーも持参しときましょう。

役所の返答で【ドローンは遠慮して下さい】の意味

市役所は法律や条例に忠実に執行します。法律や条例に禁止と取り決めがなければ、禁止とも言い切れないことも多く、【ドローンは遠慮して下さい】と言う場合が多くあります。
法令やルールで禁止されてない以上、禁止とは言えないですからね。

この場合どうしても飛行したい場合は、自分の熱意と安全対策を語ることで飛行出来たことがあります。ただし、管理者が遠慮してくれと言っているので従う方が良いでしょう。

なお禁止されていないから、許可は出せないと言うことも言われることがあります。許可とは本来禁止された行為の解除行為だからです。
このようなことから、河川や海岸では許可ではなく使用届けの提出を求める場合が多いのです。
なぜ使用届を提出を求めるかというと、いつどこでドローンを飛ばすか把握しておくのが目的です。万が一市役所に通報が言っても市役所は把握していますと言ってもらえるので、使用届けを出すのもメリットがあります。

個人の趣味だと河川や海岸はドローン飛行の許可がおりやすい?

海岸や河川は、公共のものつまり皆のものと言う認識があり自由使用が原則です。つまり禁止にする条例やルールがない限り、基本的には個人の趣味で楽しむぶんでしたらドローンは飛ばせます。ただし公共の福祉の観点から管理者が危険だと思う行為は禁止されるので、必ず管理者に確認が必要です。

ドローンに対する法律や知識を身につけておくことも大切かと思います。ほとんどの市役所は親切丁寧に誠実に対応してくれますが、中には明らかにめんどくさそうな対応取る人もいます。知識がないと足元を見られて、飛行禁止だよだめだよの一言で済まされてしまうことも考えられます。最低限の知識は習得しておきましょう。

ドローン飛行練習の注意点

目視外飛行や人・物件30m以内での飛行など航空法の規定に該当する飛行をする場合には必ず許可・承認を得る必要があります。

目視外等の飛行訓練を行う場所は国土交通省に飛行訓練の為の個別申請を申請する必要があります。訓練の為の個別申請は安全対策上として適切なアドバイスのできる補助者をつける必要があります。

体育館や四方をネットで囲われた場所(ゴルフ練習場)、その他200g未満の機体は航空法の適用外ですので、航空法に対する許可・承認は必要ありません。

ドローンフィールドやドローンスクール

ドローンの飛行練習場所を自分で探す以外にも有料のドローンフィールドやドローンスクールなどで飛行練習することができます。

  • ドローンフィールド(有料練習場所)
  • ドローンスクール

ドローンフィールド(有料練習場所)

①ドローンフィールド(有料練習場所)
ドローンフィールド(有料練習場所)は、ドローン専用の飛行練習場で日本全国にたくさんあります。探し方はDJI社発表のフライトマップを見ると登録されている飛行練習場所がひとめでわかるように表示されてます。

ドローンスクール

ドローンスクールで練習できます。知識や飛行技術を教えてもらえるのでスキルアップには有効です。日本全国に推定800校ほどあると言われてます。ただし20万〜30万程度のお金が掛かる上、選ぶ学校によりレベルに偏りがありしっかり調べる必要がある。

2022より免許制度が始まりますので、ドローンスクールの立ち位置も大きく変わる可能性があります。

練習用に包括申請も取得可能!

包括申請は趣味では取れないとも言われてますが、正確に言うと全国包括申請が取れないだけであって、最大5カ所まで飛行ポイントを限定すれば1年間の特定の場所での包括申請が習得できます。

海岸や河川でドローン飛行するにも、目視外飛行と人・物件から30mの2つはしっかり守るのは結構大変かと。かといって練習のたびに国交省へ個別申請するのもめんどくさいですよね。
そのような方は練習場所の包括申請の取得をお勧めします。

まとめ

ドローンの飛行練習場所の探し方について詳しく紹介してきました。

なんだかんだ言って個人の趣味で海岸や河川はドローンは結構飛ばせる場所が多いです。しかし管理者が異なれば飛行可能か禁止かも変わります。申請方法も変わりますので必ず、飛行する前には管理者を探して飛行可能かを確認することが重要です。

許可書はドローンパイロットにとっては、クレーマーやイチャモンをつけてくるやから
を退治するいわば水戸黄門の印籠のようなもの。許可を取るのはめんどくさいが許可を得たら強い武器にもなるわけです。

またこのようにたくさんの場所で許可を取れるようになれば、より素晴らしい映像をたくさん撮ることも可能になります。

ドローンの飛行操縦技術と同じ位、許可申請も大事な技術だと思います。

今回紹介したことを実践すれば、あなただけのドローンの飛行場も見つかるはずです。

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