ドローンを直接規制する法律は大きく分けて2つあります。1つは航空法、そしてもう一つが小型無人機等飛行禁止法になります。ここでは小型無人機等飛行禁止法について飛行禁止エリアや罰則規定など詳しく紹介していきます。
目次
小型無人機等飛行禁止法とは、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律です。つまり簡単に言うと、国の重要施設近くではドローン禁止ですよ。って事です。
航空法は航空の安全を目的としている法律であるのに対して小型無人機等飛行禁止法は国防の趣旨が含まれてます。管轄も航空法が国土交通相なのに対して小型無人機等飛行禁止法は警察庁が管轄しています。
2015年4月に首相官邸にドローンが墜落した事件を機に対テロ対策の一環としてこちらの法律が制定された経緯があります。
航空法と小型無人機飛行禁止法の違いは次のとおりです。
航空法 | 小型無人機等飛行禁止法 | |
目的 | 航空の安全確保 | 国の重要施設に対する安全確保 |
所管 | 国土交通省 | 警察庁 |
飛行禁止空域 | ・航空機の安全に支障を及ぼす空域 ・人、家屋の密集しているエリアの上空 |
国の重要施設、外国公館、原子力事業所周辺 |
飛行方法 | 夜間・目視外・人物件から30m離すなど規制あり | 規制なし |
なお小型無人機飛行禁止法の正式名称は、【重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律】です。とても長いですよね…
小型無人機飛行法による小型無人機とは、以下のように定義されています。
「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいうか。)により飛行させることができるもの」を言う。
小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 第2条第3項
航空法における小型無人機とほぼ同じですが、ハングライダー、パラグライダー、操縦可能な気球も含まれる点で多少異なります。
一番の大きな違いは、航空法のように対象を200グラム以上と制限していない点です。
つまり小型無人機等飛行禁止法において禁止されるドローンは、おもちゃであるトイドローン、20g程度のマイクロドローンであっても飛行は禁止されてます。なおこの法律に違反した者は「1 年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます。
この小型無人機飛行禁止法で規制されるエリアは主に東京の中心地に多くあります。しかし東京だけではなく原子力事業所、自衛隊施設など日本全国に飛行禁止の対象エリアがあります。
①国の重要な施設等
②外国公館等
③原子力事業所
④自衛隊施設
⑤空港
小型無人機飛行禁止法では「対象施設」及び「対象施設周辺地域」が対象となっており、対象施設&敷地・区域の上空と周囲おおむね300mの上空が飛行禁止場所に指定されています。しかしくっきりと300メートルで区切られているわけではなく、街の区単位で指定されてるので、詳しくは警察庁のホームページで確認してください。
参照元:警視庁ホームページ
※上記の場合でも警察署に通報を行う必要があります。
飛行の前に、あらかじめ、都道府県公安委員会(警察)・管区海上保安本部長に通報しなればならない。
違反をすると警察官による命令・措置としてドローンの退去その他の必要な措置をとることを命令することができる。
また、一定の限度内において、小型無人機等の飛行の妨害、機器の損壊その他の必要な措置を取る事ができます。
罰則:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
対象施設上空で飛行させる場合は施設管理者の許可を得た上で警察署に通達する必要があります。
必要な措置
①国土交通省から飛行許可承認を得る
対象施設が人口集中地区、人・建物から30m以内、目視外飛行など国交省の飛行禁止制限に当てはまる場合は飛行許可承認を得る。
②施設管理者の同意を得る
対象施設の管理者から署名で同意書を得ます。
③管轄の警察署に通報を出す。
管轄する警察署に通報書を提出します。通報書とは対象施設で飛行するにあたっての申請書のようなものです。この通報はドローンを飛行する48時間前までに通報書を対象施設周辺地域を管轄する警察署に提出することになってます。その際は対象施設の管理者等から交付された同意を証明する書面の写しと、実際に飛行させる機体を提示します。(機体が重いなどの理由で提示が困難な場合は機体を写した写真の提出でも可能です。)
小型無人機等飛行禁止法について詳しく紹介してきました。この法律のポイントは、200g未満のトイドローンやマイクロドローンも対象としてます。
またワールドカップやサミット、要人来日などで期間限定・スポット的に法律が適用される事もあり、国土交通省のホームページは定期的にチェックしておくと良いです。
知らずにドローンを飛行させてしまうとすぐに検挙されてしまいます。この法律を管轄しているのが警察ですので警察官も詳しいです。
飛行禁止エリア周辺はエリア外でも要注意です。こちらのアプリですと小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止エリアがすぐに分かります。