ドローンで夜間飛行と言えば、日の出、日没、花火大会、夜景などをドローンで撮影したい方も多いと思いますが撮影するためには、国土交通相に申請を出し承認を得る必要があります。
ドローンの夜間飛行は飛行操縦の難易度も高く許可申請の難易度も高くハードルは高いですが、その分は最高の映像又は画像を手に入れり事ができます。
こちらの記事ではドローンの夜間飛行について、許可申請方法、飛行操縦の注意点等を紹介していきます。
夜間飛行とはその名のとおり夜にドローンを飛行することです。
航空法による夜間飛行についての条文と定義は以下のとおりです。
第百三十二条の二
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
航空法 第百三十二条の二
(中略)
五 日出から日没までの間において飛行させること
日の出から日没までが夜間、それ以外が日中と言うことです。なお日の出から日没の時刻は国立天文台が発表する時刻が基準となります。
緯度経度により場所ごとに日の出、日の入りの時刻は異なりますのでそれぞれの場所で調べる必要があります。また同じ場所でも季節により時間が異なります。
日の出日没時間を調べるならばお勧めは、ドローンフライトナビです。
こちらのアプリですと場所により、日の出日没時間がかんたんに知ることができます。またドローンフライトナビですと同時に人口集中地区や飛行場の制限なども知ることが可能なのでおすすめです。
なおGoogleで「日の出」「日没」と検索すれば、その検索場所でのデータを知ることができます。
もっと詳しく
日の出…
太陽の一部が地平線から出し始めた瞬間
日没…
太陽の全てが地平線に隠れた瞬間
実際は雨の日や曇りの日は太陽を見て判断できないので時刻で判断することになります。
夜間飛行は視界不良、センサー障害、また位置の把握が困難など墜落リスクも高く安全の確保が難しいからです。このようなドローンの夜間飛行を制限することにより人や物件の安全を図り並びに航空機の航行の安全も確保する趣旨から夜間飛行は禁止とされてます。
夜間飛行をするには国土交通相の承認を得る必要があります。(詳細は後述します)
国土交通相の承認を得るには以下の条件を満たしている必要がある。
夜間飛行するためには特別に夜間飛行の訓練を積まないといけません。具体的な夜間飛行の訓練の指示はないのですが、標準マニュアルに記載されていふ訓練を夜間でも飛行出来ることが求められると推測されます。(GPSなしでの対面飛行等)
夜でも機体を把握できるように機体に灯火が装備してある必要があります。djiのドローンなど多くのドローンが標準装備してあります。
前後で異なる色になることで機首の向きや進行方向が分かります。
灯火が容易に認識できる範囲内でしか飛行することができません。つまり飛行距離1000mなどの長距離飛行はできません。
またモニターを見ながらの飛行も目視外飛行に該当しますので禁止です。
飛行高度と同等の距離の半径内に第三者が入らないようにしないといけません。例えば夜間に高度50mの高度で飛行するならば、飛行地点から見ての半径50m(直径100m)内に人が居てはダメと言う事です。
このような事から人口集中地区内の夜間飛行の申請は非常に厳しいのが現状です。
人口集中地区内で夜間飛行を行うには夜間飛行と人口集中地区内の包括申請をそれぞれ取得していても飛行することができません。必ず安全対策を記載して個別申請を行う必要があります。(航空局ヘルプデスク確認済み)
夜間飛行を行うには必ず補助者を設置しなくてはなりません。
飛行範囲が広い場合にはそれなりに安全対策上、必要な数の補助者を設置する必要があります。
なお補助者は、誰でもいいと言う訳ではありません。ドローン(無人航空機)の特性を十分理解しているのが条件です。このようなことからドローンに対して知識のない方は補助者にはなれません。
夜間飛行で離発着する場所は照明機材等で離発着場所に十分な照明を確保する必要があります。真っ暗の中での離発着は危険ですからね。
元々、夜間用の照明器具がある設備の元で離発着するなら特別準備する必要はありません。しかしながらそのような設備のない場所では撮影用照明機材を準備する必要があります。
なおこの照明器具は、車のヘッドライトでも可能です。
※
上記の条件は航空局の標準マニュアルに記載されています。この条件が揃えられない場合で飛行させるには、独自で飛行マニュアルを作成するか又は航空局へ個別申請を出して承認を得る必要があります。
夜間飛行は航空法で飛行が禁止されており、夜間に飛行させる場合には国土交通相航空局に承認の申請をしなくてはなりません。
申請方法には、包括申請と個別申請の2種類があります。
包括申請…1年間を上限として飛行経路を定めないで飛行することができる。
個別申請…飛行する毎に飛行経路を定めて申請をします。
夜間飛行を行うなら包括申請を取得するのがお勧めです。ただし包括申請は業務目的である必要があり趣味では包括申請は取得出来ないので注意が必要。
また夜間飛行の包括申請を取得しても以下の条件では個別申請をする必要があります。
夜間飛行×目視外飛行
夜間飛行×人口集中地区
夜間飛行×学校や病院、又は電波塔の近く
鉄道や交通量の多い道路の近く
また申請方法にはDIPSと呼ばれる【ネット申請】と【郵送】の手段があります。
通常ならDIPSで大丈夫ですが飛行する上で条件が厳しい申請は具体的な安全対策を記載して郵送でのみ申請可能な場合もあります。
ドローンを飛行する上で夜間飛行は難易度は高く、ドローン操縦の技術だけでなく、計器の知識や許可申請の知識も必要とされます。
夜間飛行飛行が難易度が高い理由は以下のとおりです。
夜間飛行でもっとも支障が出るのはと言えば、ドローンに掲載しれているセンサーが効かないことが挙げられます。まずビジョンセンサーが暗闇のため効果が効かないので左右に流されるリスクがあります。夜間に流されてしまうと昼間と違い軌道修正が難しく非常に危険です。
また障害物探知センサーも効果ないのでリターントゥーホームも使えません。機体によってはその場で着陸モードになる場合がありますので注意が必要です。
夜間のドローン飛行は操縦が難しく、センサーも効かない、暗闇で視界も悪いことから墜落リスクが高くなります。当然許可承認も厳しくなります。
事故を未然に防ぐため、十分な操縦技術、機体の安全性、必要な数の補助者、その他安全対策が求められます。
上記でも説明しましたが夜間飛行の包括申請を取得していても、目視外飛行、人口集中地区
学校や病院、電波塔、鉄道や交通量の多い道路の近くは個別申請を出す必要があります。
夜間に飛行しますので暗闇で機体が見づらいです。灯火を設置して光でドローンを判断しますが、灯火を見ての飛行はある程度、コツが必要でそれなりに夜間飛行の訓練が必要となります。また夜間ですと電線や木の枝が見づらく事故のリスクも高いです。これらはモニターを見てもよく見えません。
また夜間ですと昼間と違い距離感が異なって感じますので注意が必要です。夜間飛行させる場合には必ず、ロケハンをして出来るならば昼間に飛行して距離や感覚を把握しておくこが求められます。
夜間飛行をするには訓練をしなくては国土交通相から承認を得られません。
・操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。
ガイドラインより
夜間飛行訓練の手段は主に2つあります。
夜間飛行の訓練は1人で行うことが出来ません。必ず熟練のパイロットの指導の元行って下さい。具体的な訓練内容は規定されてませんが、航空局の飛行マニュアルにある【無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項】に規定されてることを夜間でもできる操縦技術が必要だと推定されます。
各種ドローンスクールや夜間飛行の講習会などでも夜間飛行の訓練が行えます。このようなドローンスクールや講習会で訓練を行えば、夜間飛行を行ったという証明書を発行してもらえます。その団体が国土交通相の認定団体に指定されていれば、許可申請で申請の一部を省略できるメリットがあります。
国土交通相に夜間飛行の申請を出すときに夜間飛行の訓練した時間を記載します。過去のデータによると最低1時間程度の訓練で飛行許可が下りてる場合が多い。
そこで航空局ヘルプデスクに問合せしてみました。飛行訓練の時間や内容は定められていないそうですが、判断基準として200g以上の機体で1時間以上が最低基準だそうです。
200g未満のドローンやシミュレーションによる夜間飛行の練習は、夜間飛行の訓練にみなされません。(ヘルプデスク確認済み)必ず200g以上で1時間以上が条件になります。
屋外で夜間訓練を行う場合は必ず国土交通省へ夜間訓練のための個別申請を出さなくてはなりません。その際安全対策で飛行経験のある補助者を付ける必要があります。一人で屋外の夜間飛行訓練は出来ないです。
また体育館や公民館等の室内で電気を消して練習、ゴルフ練習場などの四方がネット等に囲まれている場所で練習ですと一人で夜間飛行の訓練をしても大丈夫。(ヘルプデスク確認済み)
Q.
国交省の夜間飛行の承認を得ずに夜間飛行をしたらどうなるの?
A.
航空法違反により最大罰金50万が科せられます。また罰金刑は前科が付きます。
Q.
夜間に目視外飛行をするにあたり、包括申請で夜間飛行と目視外飛行を承認を得ている場合は申請は要らない?
A.
包括申請で夜間飛行と目視外飛行の承認を得ていても併用することはできません。つまり、夜間目視外飛行するには必ず、飛行経路を定めた個別申請をして承認を得る必要があります。
同様に人口集中地区内の夜間飛行も必ず飛行経路を定めた個別申請をして承認を得る必要があります。
Q.
国土交通省から夜間飛行の承認を得られれば自由に飛行できるの?
A.
国交相の夜間飛行の禁止はあくまで航空法による制限です。その他の法律による規制や土地地権者の飛行許可は個別に許可を得る必要があります。
ドローンの夜間飛行に関して詳しく紹介してきました。夜間飛行はドローンを飛行する上でも最も難易度が高く許可申請も大変です。またドローンの特性や計器の知識も重要です。こちらの記事を参考にして頂き夜間飛行で素敵な映像を手に入れましょう。