ドローンにはカメラがついており、モニターを見ながらも飛行できますが、原則禁止されておりモニターを見ながら飛行する場合は国土交通相の承認が必要です。ここではドローンにおける目視外飛行について詳しく紹介していきます。
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目視外飛行とは一体どのようなことを指すのでしょうか?名称からも分かるとおり、目視外、つまり自分の目で直接ドローンを見ないで飛行させる事をいいます。
それ以外はすべて目視外飛行となります。具体的に言えば、双眼鏡で見るのもNG、補助者が操縦者の代わりに目視するのもNG、時間をかけてモニターの設定をいじるのもNG、目視できないほど遠方に飛ばすのもNG。
FPVゴーグルをつけての飛行(200g以上)ただし、コンタクトレンズやメガネの装着は目視外にはあたらずOKです。要はドローン飛行中は常に機体から目を離さず飛行させなければなりません。
ドローンは空飛ぶ航空機です。モニター飛行ですと電線等が見えなかったり、左右前後の距離感も2次元のモニターですので目視と比べて距離感が分かりづらいです。安全の為にもモニター飛行は禁止されてます。
OK
NG
ただし、ドローンで点検、救助、パトロールなどの業務をする場合はどうしても目視外飛行が必要不可欠です。目視外飛行をするには、国土交通省に申請を出して承認をもらえれば目視外飛行も可能となります。
国土交通省の申請に関してはその都度申請を出す個別申請と1年間を限度にエリアを絞らず申請を出す包括申請があります。毎回毎回申請を出さなくてはいけないと手間と労力がかかるので、多くの会社は包括申請をしております。
目視外飛行の承認をもらうためには、目視外飛行の訓練と安全確保に関する一般基準の他、目視外飛行に対しての追加基準に適合するようにしなければなりません。
許可を得るには以下の条件をクリアしないといけません。
①安全性を有した機体
自動帰還機能やのフェールセーフ機能を有していることや自動操縦システムを装備し、機体のカメラ等で機外の様子を監視できること。また何か異常が発生した際にはすぐに把握できる警告があること。
②操縦技量
モニターを見ながら、遠隔操作により、意図した飛行経路を維持しながら飛行でき、経路周辺において安全に着陸できること
③安全確保の体制
飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。必要に応じて監視人・補助者を置く
国交省の申請に関してはこちらを参照してください。→準備中
目視外飛行は言わば計器飛行です。高度、向き、方角、地図などモニター上の情報を元に飛行しなくてはなりません。高い飛行技術だけでなく安全対策も十分に行う必要があり、一定の訓練を積む必要があります。
操縦技能に関してはモニターを見ながら、遠隔操作により、意図した飛行経路を維持しながら飛行でき、経路周辺において安全に着陸できることが求められます。
また送信機の機能を十分に理解しておく必要があります。
コンパス、IMU、ESCステータスの異常の有無
ドローン本体の位置などを確認
D:ドローン本体とホームポイントの距離
H:地表からのドローン本体の高さ
HS:ドローンの水平移動速度
VS:ドローンの垂直移動速度
VPS:ビジョンポジショニングシステムの高さ
各種設定
リターントゥホーム高度の設定
フェイルセーフの設定
最高飛行高度を設定
ビジョン障害物回避の設定
練習方法はドローンスクールに通うかしっかりとしたインストラクターによる指導してもらう必要です。練習場所は国土交通省似目視外飛行を行うため申請を出す必要があります。
または完全な屋内・室内の場合は、航空法の適用はありませんので体育館などの広い室内でしたら目視外飛行の練習もできます。
目視外飛行の法整備が急ピッチ進められています。目視外飛行が可能となる事で、ドローンによる宅配を筆頭にありとあらゆる産業に大きなインパクトを与える事になります。
目視外飛行に関しては、国のほうも積極的に動いており2015年より空の産業革命におけるロードマップなるものを作成しております。
無人航空機は飛行する空域や方法により飛行レベル1~4と定義され、国は2022年度にはレベル4の「有人地帯(第三者上空)での目視外飛行」での本格的な利活用を目指している。
目視外飛行の安全性の担保と法整備がドローン発展の大きなポイントになります。2022年に開始されるドローンの免許制度も人口集中地区内での目視外飛行に関する免許です。
13kmの長距離目視外飛行の実験も行われています。「長距離飛行ミッション編」では、福島ロボットテストフィールドの南相馬滑走路から同県の浪江滑走路間における長距離飛行の実験を行なっています。その際、無人航空機の性能評価手順を定めている。
⇒目視外飛行実現に向けた民間団体の連携によるRTFでの大規模実証実験
以前は目視外飛行する際には必ず補助者が必要でしたが、要件によっては補助者なしで目視外飛行も可能となりました。
目視外飛行を補助者無しで行うためには、今まで必須であった補助者の役割を機体、地上設備等で代替することが必要であります。
具体的には以下の条件が必須です。
詳しくはこちら→無人航空機の目視外飛行に関する要件
Q. モニターを一瞬でも見たら常に目視外飛行になる?
A.
はい。原則としてはちょっとでもモニターを見る場合でも、航空法的には目視外飛行となります。
しかしこれでは業務を行うことができませんよね。実務上では以下の2点を守れば目視外飛行に当たらないとされています。
車の運転と同じ感覚ですよね。スピードメーターを瞬間的に見るのはOKですがナビの操作は禁止されているのと同じ。
Q. 人口集中地区内では目視外飛行ができない?
A.
目視外飛行の許可を取った場合でも、国交省の標準マニュアルでの飛行は人口集中地区内での目視外飛行はできません。人口集中地区で目視外飛行する場合は、国交省の標準マニュアルを改編して安全対策を盛り込んだ独自マニュアルを提出する必要があります。
Q. マイクロドローンなどのゴーグルを着けてのFPV飛行も国交相の承認が必要なの?
A.
航空法による目視外の規制は200g以上の無人航空機(ドローン)です。トイドローンやマイクロドローンなど200g未満のドローンは対象外です。
ドローンにおける目視外飛行について詳しく紹介してきました。基本的に自分の目で直接ドローンを目視で飛行する以外は目視外飛行となります。目視外飛行をするならば、国土交通省に申請を出して承認を得る必要があります。
ただし承認が得られたとしても、条件次第では飛行できないこともあるので注意が必要です。(例、人口集中地区での目視外飛行、夜間の目視外飛行など)目視外飛行の違反は航空法違反であり懲役1年または50万円の罰金に課せられることもあります。
航空法だけでなく、包括申請を取得した方は飛行マニュアルもしっかり把握して飛行しましょう。