より良いドローンライフを

道路上空でドローンを飛ばしてもいいの?道路交通法をチェック!

ドローンを飛ばす際、道路上空を飛ばしていいの?上空を横断してもいいの?疑問に思っている方も多いはず。そこでこのページでは道路上空でドローンを飛ばしていいのか道路交通法または警察庁の見解からその答えを導き出したいと思います。

ドローンと道路交通法

道路、歩道、側道に関する法律は、道路交通法により定められています。この道路交通法の中身を全ての条文をチェックしてみてもドローンと言う文言はありません。2020年11月の段階では直接ドローンに関しての規定はありません。

ただし、法律というのは抽象的な条文にする事により解釈の幅を持たせてあります。つまり、抽象的な条文に関しては解釈により適法なのか違法かを判断することになります。(許可の有無)

そこで問題となるのが道路交通法76条と77条です。

道路交通法76条

「道路における交通の危険を感じさせ、又は著しく交通の妨害となる恐れがある」

道路交通法76条

この条文を見る限り、ドローンを飛行するのに当たり交通量の多い道路で飛行や車と接触するような低空飛行はこの76条の条文に当てはまり違法行為であることは間違いないでしょう。

このような条件で飛行する場合は警察庁の許可が必要になります。車を通行止めさせて占有して使用する必要があります。
しかし、車と接触の心配のない高い高度での飛行やただ単に道路を通過するだけですと、さほど交通の妨害になるとは言い切れません。

道路交通法77条1項4号

もう一つ問題となるのが道路交通法77条です。

「一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態もしくは方法により道路使用する行為」

道路交通法77条1項4号

このような場合は管轄する警察署長から「道路の使用許可」が必要となります。
電線や電柱の工事の為、ゴンドラを使用する場合は道路の使用許可を得て行っています。

この条文や実例を見る限りドローンにも何かしろ影響がありそうな条文ですよね。

結局道路上空でドローンを飛ばすのに許可が必要なの?

道路交通法76条と77条を見る限りドローンを飛行するにあたり、占有届けまたは一時使用許可が必要との解釈もできますが、警察庁の考えとしては、特別許可を必要とするわけではないとしています。

以下のコメントは「国家戦略特区等提案検討要請回答」です。

「道路における危険を生んじさせ、交通の円滑を阻害するおそれのある工事、作業をする場合や道路に人が集まり一般交通に著しい影響及ぼすような撮影等行おうとする場合には、ドローンを利用するか否かにかかわらず、道路使用許可を要するが、これらに当たらない形態で単にドローンを利用して道路状況撮影を行おうとする場合は現行制度上道路使用許可を要しない」

国家戦略特区等提案検討要請回答

このようなことからわかるとおり道路上空をドローンで飛行するのは特別許可が入らないことがわかります。

検察庁のコメント以外にも総務省のガイドラインでもい以下の記述があります。

「道路交通法は車や人にぶつけるなど道路通行中の車や人の交通を妨害することが明らかな態様で飛行させるものでない限り、ドローンの道路上空の飛行を禁止してない」

総務省ガイドライン

交通妨害にならず人や車にしっかり安全を配慮できるなら道路上空をドローンで飛行しても問題ないことがわかります。

直接ドローンが飛行できるとの明文化なくあくまでも解釈上または警察庁の見解での判断で100%大丈夫と言うわけではありません。

万が一事故起こしたときの重大度、社会に与える損害の大きさ、飛行方法等により相対的に判断されます。1時間に1台しか車が通らないような農道を飛行するならのはともかく、交通量の多い道路では必ず警察に確認を取りましょう。

ドローン協会最大手のJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)の見解では、以下記述があります。

「道路交通法には道路の上空を使用することに対する規制はありません。しかしドローンの場合は1mで飛行も可能なため警察署長の許可を受けなければなりません。」

JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)の見解

見解や解釈はそれぞれ立場や考え方で異なる事もあります。その都度警察に確認するのが1番安心ですね。

道路上空でドローンの飛行に許可が必要な場合

道路交通法の条文にもあるように、

  • 一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態もしくは方法により道路使用する行為
  • 危険を生んじさせ、交通の円滑を阻害するおそれのある場合

通常道路の上空をまた切る場合はこれには該当しないのですが、危険を生んじさせる恐れのある低空飛行、具体的に言えば、道路交通法において道路の高さ上限は4.1メートルですのでこの高さ以下でドローン飛行させる場合は必ず使用許可、または占有許可が必要となります。

また道路内でのドローンの離発着は、道路を占有すると考えられていますので必ず占有届けが必要となります。

ポイント

●許可が必要な場合
・道路上空でのホバリング
・道路真上を道路に沿っての飛行
・高さ4.1メートル未満の低空飛行
・人や車の交通量の多い幹線道路
・道路での離発着

●許可が不用な場合
交通の妨げにならず人や車に安全な場合は、道路を通過する事ができる(渡る)

よくある質問Q&A

Q. 道路での離発着は占有許可が必要との事ですが、歩道からの離発着の場合は大丈夫?

A.
道路交通法における「道路」には、車道のみならず歩道も含まれます。
歩道とは、「歩行者の通行のように供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によって区画された道路の部分をいう」(道路交通法2条1項2号)と定められており歩道は道路の一部と位置付けられます。
この事からも歩道からの離発着する場合も道路の占有許可は必要となります。

Q. 道路上空で飛行する場合国土交通省の許可・承認も必要?

A.
道路は車が走る場所ですので、車から30メートル以内の場所は国土交通省の承認が必要となります。つまり、高さ30メートル以下の高度で飛行する場合は承認が必要。また道路沿いは電信柱や電線からもある事が多くそれらから30m離す必要があります。また飛行エリアが人口集中地区(DID地区)の場合、許可が必要です。

Q. 道路使用許可申請書はどこに提出するの?

A.
道路使用許可書は使用道路を管轄している警察署の警察署長の許可を受けなければなりません。以下の必要書類を警察署に提出してください。
①道路使用許可申請書
②離発着地点とある程度の飛行ルートの地図
③飛行させる機体の詳細
④人口集中地区や目視外などの場合は国交省の許可の承認の写し

まとめ

車や人に対して安全な高さでしたら、道路上空を飛行することができる。(渡る)一方で道路に沿っての飛行や道路上でのホバリング、離発着、低空飛行は警察上へ許可が必要となります。

しかし、飛行の場所、形態、時刻、天候、機体などドローンの飛行には、さまざまな要素が絡んできますので、その都度安全対策は異なります。道路上空を飛行するなら警察署に確認してみることが1番安心できます。

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