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ドローンの紛失(ロスト)が犯罪に?産廃法の詳細とドローンの探し方

ドローンを紛失(ロスト)すると精神的ダメージが相当大きいです。一体数万から数十万もする機体だから、正直泣きたくなりますよね。しかし、それだけでは済まない可能性があります。

ドローンを無くしたまま何も手続きもしなければ産業廃棄物処理法違反により検挙されるリスクもあります。機体を無くした上、逮捕だなんてまさに泣きっ面に蜂ですよね。ドローンと産廃法(廃棄物処理法)で必ず知っておくべきこと!機体の探し方、紛失後の対策等を紹介します。

ドローンの放置は廃棄物処理法違反に!

ドローンはバッテリーや電子回路、多数のセンサーなどで構成されてる精密機器です。紛失した場合は、ドローンは扱いで見れば産業廃棄物にあたり山などに放置してしまうと廃棄物処理法違反により逮捕されてしまいます。

近年特に不法投棄に対してはどこの自治体も厳しい姿勢で取り組んでいることもあり、罰則の強化、パトロールの強化、所有者の割出しにも力を注いでます。

廃棄物処理法に関する条文

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
第十六条 
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

第二十五条
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

出典:電子政府の総合窓口e-Gov

廃棄物処理法違反のペナルティーは以下のとおりです。

罰則
5年以下の懲役若しくは1,000万円の罰金またはこの併科
※不法投棄など一部の違反について、法人に対しては3億円以下の罰金 が科される

条件
例)不法投棄(未遂含む)など

根拠条文
法第16条、第25条 第1項第14号、第32条第1項第1号

違反者は最大で見ますと5年以下の懲役1000万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。意図して捨てたわけじゃなくても、結果的に不法投棄に当たる可能性もありますので、万が一紛失した際は機体を必ず見つけだす事が重要です。

SDカード、機体番号などかは後から検挙も…

広い山の中だから第三者が見つけるわけない。仮に見つかったとしても持ち主までは分かるはずがない!

…と思ってないですか?

機体ロストは後日、第三者に発見されると言うケースはよくあることです。例えば少し前テレビでやっていたのですが、拾い主がわざわざドローンに内蔵されたSDカードを分析して持ち主を割出して届けたという話もありますよね。この場合は善意で届けてくれたのでよかったのですが、土地の地主などは不法投棄と怒ってくるケースもあるでしょう。

ドローンの機体には、SDカードや内蔵カメラがあり、分析すれば持ち主も割出せる事もあります。また国交省の包括申請を取得していれば機体番号を入力しているはずなので簡単に持ち主が割り出せます。

それだけではなく最近ではYouTubeやSNSを利用してドローンの墜落、紛失動画をアップしているケースがあります。機体を回収していれば問題ないのですが、回収してなければ不法投棄の証拠にもなりかねません。(動画の撮影映像は機体のSDカードの他スマホにも録画できるので映像は残っているのでアップすることは可能)

その他にもそのエリアに許可申請した人のリストやFISSの情報のリストからも追尾して探し出せますよね。

このようにドローンの飛行の証拠は残ります。そもそも、DJIgo4のアプリを利用していたら、フライトデータはDJIにも知れ渡ってますからね。ドローンの機体を紛失した場合は可能な限り見つけ出しましょう。

ドローンの機体の探し方

いくら最新の優れた機能を搭載したドローンでも、電波干渉、強風、バッテリー切れ、操作ミス、鳥獣からの攻撃など誰しもが機体を紛失してしまう可能性があります。

もしドローンの機体を紛失(ロスト)してしまった時の見つけ方を紹介します。

  1. タブレット(スマホ)の地図上にあるGPSで機体の場所を探す
  2. ESC音声フィードバックを使って大音量で機体の場所を知る
    (対応機体のみ)
  3. DJI Go 4アプリの「ドローンを探す」機能を使う
    (DJI Go 4アプリ利用のみ)

タブレット(スマホ)のGPS機能

送信機に設置してあるタブレット(スマホ)に表示されてるGPS機能で紛失した機体が地図上に表示されてます。ただし機体の充電が無くなってしまったら表示されません。しかしアプリのフライトデータ上にはデータが記録されてますので、必要以上に焦って探す必要はありません。

ESC音声フィードバック

DJI Go 4アプリのフライト画面の【MCパラメーター設定】→【詳細設定】から【ESCピーピング音】を鳴らせます。

ESCピーピング音は、

  1. ドローンの機体の電源が入っている状態
  2. モーター停止
  3. 送信機と通信している状態

に限りピーピング音が鳴ります。
※機体やアプリのバージョンによって多少異なります。Phantom 4 Pro V2.0には付いてますが、Mavic 2 Proにはついてません。

DJI Go 4アプリ「ドローンを探す」機能

①DJI Go 4アプリのトップ画面から右上の三本線をタップ

②一番下のドローンを探すをタップ

③機体と送信機が通信した最後の場所がアプリ上に表示されます。最後の通信からの時間も表示されます。

④機体を位置する矢印をタップ

ドローン紛失後は、火の手が上がってないかも確認する事。ドローンのバッテリーであるリポバッテリーは衝撃が加わると引火する恐れがあるので山火事を引き起こす原因にもなりかねません。落下後数時間後に引火すると言う例もあります。必要に応じて消防や警察に連絡。

可能な限り機体をつけるよう努力する。ただし山や川などは危険が伴うので決して無理はしないように。木の枝や屋根の上にある事が発見して取るのが困難な場合は、街の便利屋(何でも屋)にお願いするのも手です。

ドローンが見つからない時にすべき対応

ドローンを探したけど見つからなかった時すべき対応を紹介します。ドローンを探したが見つからなかった場合は以下手続きを行ってください。

敷地所有者又は管理者に連絡

山(国有林)なら林野庁森林管理局、公園なら公園管理事務所など管理している事務所に報告すること。飛行許可をもらう際多くは、守るべきルールとして機体を紛失した場合は届け出ると記載されている場合が多いです。

管轄する警察署

ドローンを紛失した場合は、必ず警察署で遺失物届を出しましょう。遺失物届けを出すことによって不法投棄ではなくあくまでも紛失と証明する事ができるからです。

保険会社

ドローン保険に加入している場合には、各種保険会社に連絡を入れて対応できないか問い合わせてみましょう。最近のドローン保険では、機体の捜索・回収費用(交通費や宿泊費など)が出る保険会社もあります。

しかし機体保険に加入していてもどの保険会社も、実際に機体が発見(回収)されない限り、現物確認ができないと言う理由で保険金はおりないです。ドローン保険以外にも火災保険の付帯特約である【携行品損害補償特約】【受託物賠償責任危険補償特約】などが適用される可能性もあるかもしれません。

国土交通省に報告

「人の死傷、第三者の物件の損傷、飛行における機体の紛失又は航空機との接触若しくは接近事案が発生」した場合は国土交通省に報告する義務があります。

上記を見てもわかるとおり、機体の紛失も国土交通省に事故報告書を提出します。

事故報告書の内容

  • 許可等の年月日
  • 許可等番号
  • 操縦者の氏名
  • 事故等の発生日
  • 発生場所
  • 無人航空機の名称
  • 事故等の概要
  • その他参考となる事項

紛失したドローンを発見した場合

落下の状況にもよりますが、ドローンは精密機械です。いくらモーターが回ったとしても何かしら不具合が生じいつ落下するかわかりません。1度でも落下した場合はDJIに修理またはメンテナンスに出した方が良いでしょう。明らかに壊れていた場合は捨てる事になります。
さすがに壊れたドローンをメルカリやヤフオクで出すのは厳しいかと思います。しかし使わなくなったパーツに関しては意外に高値で売却できる場合があります。(予備でもっていたバッテリー、送信機、ケース等)

また壊れたドローンでも買い取りしてくれる業者もありますのでゴミに捨てるならそちらに売却する方が良いかと思います。

ドローンの処分方法

多くの自治体でドローンの本体は、不燃物扱いですのでそのまま処分出来るかと思います。
しかし必ずバッテリーは外すように。バッテリーは一般の自治体では収集しません。 有害・危険物ですので自治体、又は販売店等にご相談ください。

ドローンで使っているバッテリーはリポバッテリーと言って引火、爆発の危険のある有害、危険物扱いです。

廃棄するのも色々と手間がかかります。処分するためにはゆっくりと放電する必要があります。限度を超えて放電を行うと発火する恐れがあるからです。ゆっくり放電する方法として塩水に沈めてそのまま最低でも2、3日間放置することです。その後はバッテリーの引き取ってくれる業者やショップ、または自治体の指示に従って処分することとなります。

リポバッテリーは一般のゴミとは違い自治体ではゴミの回収はしてくれません。各市町村により対応が異なりますので必ず管轄の自治体に確認してください

家庭ごゴミ分別辞典

まとめ

【ドローンの紛失が犯罪に?産廃法の詳細とドローンの探し方】について紹介してきました。機体ロストと言うのはとにかく大変な事です。

高価なドローンが無くなるだけではなく人身事故リスク、火災リスク、廃棄物法違反、各種報告義務などあらゆるリスクが発生します。

まず大事なのはいかに機体ロストをしないように努める事です。無茶の飛行や自分の能力以上の飛行はしない。日ごろから点検を行っておく事が大事です。

しかし空を飛ぶものですので100%安全というわけではありません。もしもの事を考えて必ずドローン保険に加入しておきましょう。車の保険と一緒ですよね。万が一ドローンを紛失してしまっても適切な対応をとれば、さほど問題になることがありません。機体を一生懸命探す。警察に遺失物届けを出す。各種に報告を入れる。このようにしとけば、警察に捕まることも後々トラブルが発生することもないでしょう。

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